読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Wonderwallから始まり、ノエルに終わる

インターネットから雑多な世界までクローズアップ、日記、エッセイアラカルト

年を重ねるということについて

エッセイ

僕は1979年生まれの36歳です、この年代に生まれたことを少しばかり誇りに思っています。村上春樹の初めての小説『風の歌を聴け』が群像新人賞を取った年だからです。

村上春樹はこの時30歳で、大して期待もせずに、小説を投函し受賞しました。

 

評者の言葉は「新しい文学の始まりである」といったものから、「君の小説はずいぶんな問題がある」というものまで。

この年代に生まれたことのポイントは、すぐに村上春樹の年齢を知ることができるということです。僕の年齢に30を足せば良い、とたまに彼の年齢を計算します。

 

『年を重ねる』というのは、村上春樹の小説『ダンス・ダンス・ダンス』の登場人物、五反田が述べるように、ひとつ、ひとつ重ねて取るものではなく、一瞬でとってしまうものだ、というセリフがあります。

 

僕の場合は、新しい音楽を聴くことをやめ、アウトドアやスポーツに興味を示すこともなくなり、めっきりライブや野外コンサートに行かなくなりました。

 

ユーチューブなどで、新しいものに触れる機会はあるのですが、その音楽が胸を貫くということはなくなりました。

 

幸いにも物覚えが悪くなったりすることはありませんでした。

 

失っていったものに、時々その想いを馳せます、しかし、時代の流れが彼女たちやシチュエーションを奪い去ってしまって、僕はあの時抱いていた感情を思い起こすことができません。

 

小説の言葉通りに、それは一瞬の出来事だった。ブログのタイトルは『Wonderwallから始まり、ノエルに終わる』。その言葉は僕のなかに流れている時代を示しています。36歳という場所からしか出発できない、もどかしくもあり、当たり前のこととして僕はこのエッセイを書いています。書いていくことで、過去や出来事が具象されていくのかもしれない、そういった心の夏の夜です。